詩人が愛した花の世界
2022年:漢詩をよむ
夏日睡起 文徴明
緑隂如水夏堂涼, (緑陰 水の如く 夏堂涼し)
翠簟含風午夢長。 (翠簟 風を含んで 午夢長し)
老去自於閑有得, (老い去り 自ずから閑に於いて 得る有り)
困來時與客相忘。
(困じ来たりて 時に客と相忘る)
松牕試筆端溪滑
, (松窓 筆を試みれば 端渓(硯の銘)滑らかに)
石鼎烹雲顧渚香。 ( 石鼎 雲を
烹れば 顧渚(茶の名) 香し)
一鳥不鳴心境寂, (一鳥 鳴かず 心境 寂たり)
此身真不愧羲皇。 (此の身 真に 羲皇に愧じず)
(訳)夏の日昼寝より目覚めて
木々がもたらす緑の影が 水のように屋敷に静けさを運び、
竹製の敷物は風を入れて、昼寝にもってこいだ。
年を取り、のんびりとした生活に燃えるものが多く、
眠気が起こってきて、お客のあるのも忘れてしまう。
・・
心の中は極めて静寂、平和で安逸であった古代の民と何ら変わることがない。
七言律詩 押陽韻 出處:文氏五家集巻六
wikipedia
文 徴明(ぶん ちょうめい、成化6年(1470) - 嘉靖38年(1559))は、中国明代中期に活躍した文人である。詩書画に巧みで三絶と称された。
中国・明時代の「四大家」に数えられる
https://artexhibition.jp/topics/news/20200220-AEJ175819/
漢詩をよむ 詩人が愛した花の世界: 春夏編 NHKテキスト) – 2022/3/25刊
4月:
桃、 杏
5月:海棠、 梨花、
芍薬
6月:牡丹、 蘭
、 蓮
7月:薔薇、藤、杜鵑花、葵
8月:石榴、紫薇花(百日紅)、梔子花、
9月:竹、桑、麦、茶
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