漢字の事件簿
円満字二郎
円満字二郎さん(HP) をチェックしたら、○育語辞典などもありました。
最近「部首ときあかし辞典」を持参していましたが、「・・事件簿」という新書を2冊図書で借りましたので、久しぶりに抜き書き読書を。
(20160923)
持っている本
(2015年8月に3冊購入)
『常用漢字の事件簿』(NHK 生活人新書)
2010年5月刊
惹句は以下に引用
「私たちの生活に欠かせない存在である漢字、その漢字と社会との接点から起きた事件をたどると、日本社会における漢字の在り方が浮かび上がる。
1970年代以降におこった漢字にまつわる会事件、珍事件を検証し、2010年に施行される常用漢字の改定を含めた漢字のゆくえを考察する、「漢字世相史」
はじめに
プロローグ"広場"の風景
「家庭や専門家といった”仲間うち"なら勝手な言い方をしても通じる。だが、新聞や雑誌といった"広場"のことばは、相手にわかるようにしなくてはならない。新漢字表は"広場"のためのものだ。」(国語審議会漢字表委員会主査 岩淵越太郎 1977年1月23日「サンケイ」)1 無邪気な子供の物語
文字を書く喜び2 かい人21面相と昭和義賊
日本語ワープロの登場 無意識に漢字を使う
3 爛熟する消費社会
消費される漢字4 バブルとワープロ専用機の二重奏
バブルの崩壊とワープロ専用機の退場5 ねぇ、バラって漢字で書ける?
札束と恋愛の時代6 新党十勇士とネット時代の夜明け
(魁という漢字を)いったいどこで覚えたか?7 平成不況を生き抜くには
"趣味"から"実利"へ(漢字コンテストから漢検へ)8 漢字は正しく書かなくちゃ!
かみ合わない”正しさの論理”9 情報化時代の暗い穴
消えた年金問題(データの入力の問題)10 中国から、そして中国へ
「青森」は「あおもり」とは限らない(国際特許問題)11 漢字を知らない総理大臣
踏襲、未曾有、頻発・・(麻生 太郎の「漫画脳」?ある人にとっては「知っていて当然」と思われる漢字が、別の人にとっては常識でも何でもないという状況を示す)エピローグ"広場"の消滅
情報機器の普及が漢字使用に与えた影響として、「漢字の多様化傾向」しか上がっていないのは、少々、食い足りない。僕には、文字によるコミュニケーションの"広場"が驚くほど膨脹したことの方が、より重要だ、と思われるからだ。
漢字表が必要なのは、僕たちではない。かってのおしんのような(中略)、これから漢字を学ぼうとする人たちのためにこそ、漢字表は考えられなければならないのだ。」「
三十年に及ぶ「常用漢字表」の時代が一区切りつこうといしている今、僕たちが考えなくてはならないのは、未来に生きる人々に、どのような姿の"漢字"を手渡してくのか、ということなのだ。
『人名用漢字の戦後史』 (岩波新書)
2005年7月刊
惹句は以下に引用
「わが子の名付けに、好みの漢字が使えない。戦後民主化改革の一つ、当用漢字の制定がもたらしたこの新たな問題への一種の妥協案として、人名用漢字は誕生した。漢字制限をめぐる文部省国語審議会、法務省、マスコミなどの動きと社会の変化を丹念に跡づけることで、日本人が漢字に対して持つ微妙な感覚までが浮き彫りにされる、異色の戦後史
はじめに―古典力のすすめ
第一章 すべての始まり
第二章 時代の分水嶺で
第三章 唯一無二性の波
最終章 曲がり角の向こうへ
唯一無二性の罠一般に漢字は表意文字であるといわれる。それは、読み方とともに意味をも表す、ということだ。ところが、そのうちの一つ、意味をが失われてしまった漢字が存在するのだ。そして重要なのは、それでも、他の文字では置き換えがたいというあの唯一無二性だけは持っているということだ。
名付けの漢字が、その意味に関係な、当て字的、万葉仮名的に用いられる傾向があることは.1960年代にすでに指摘されていた。(中略)読み方と唯一無二性だけを身にまとった漢字とは、恐ろしく空虚な漢字なのだ。
資料:人名用漢字見直し案
■wikipedia 人名用漢字
2015年1月7日、「巫」を追加し、合計862字
人名に使える漢字の数(2015年1月7日現在)
常用漢字2136字種2136字体
漢字の表(一)(常用漢字の異体字でないもの)632字種650字体
漢字の表(二)(常用漢字の異体字であるもの)212字種212字体
字種としては、1.の2136字種と2.の632字種を合わせて2768字種
■法務省子の名に使える漢字