『キュクロプスの窓』を読む

2014年クリスマスに、クリスマスの色、 赤は生命の色(血の色)・緑は植物の色ということで少々展示を行い、また色名がある英語の詩を選んで、WEBの 色のイメージを見つつカウントダウンをしましたが、もうちょっとちゃんと見ようと思い、以下にて目次読書です・・
第1章 見ることを解く
Ⅰ われわれが見ているもの
Ⅱ 思考する眼
Ⅲ 眼の現場
視の様々な様相と作用・・視のシステム
第2章 視をつくる体制Ⅰ 眼の仕組み
Ⅱ 眼の動き
視覚作用を生む眼のあり方
第3章 光の世界・色彩の世界Ⅰ 光の世界
Ⅱ 発色の現場
視覚情報を与える外部情報を、その原因である光を通して検討
第4章 視の反類型学Ⅰ キュクロプスはどう見るか
Ⅱ 形は強い
Ⅲ 構造と表層
視覚作用を作り出す我々のあり方
第5章 空間と形態Ⅰ 遠近法の世界
Ⅱ 逆遠近の世界
具体的な表れとしての形態
第6章 形態と視世界Ⅰ 歪像の世界
Ⅱ 形態と特徴
第7章 色彩
Ⅰ 対比する色彩
Ⅱ 同化する色彩
色彩について、実際の視覚作用がどのようなものかとらえることを目的
第8章 非定位の視世界参考文献
索引
「見る」ことに伴う視覚のシステム。 像を結ぶことを自然に 動作する眼の機能についての書。
視覚像は「ディスト―ション(ひずみ)に支えられたイリュージョン(幻影)」である(p1冒頭)
キュプロクス(単眼巨人)
Artist
Odilon Redon (1840–1916)
Current location
Kröller-Müller Museum
ギリシア神話の一つ目のキュクロプスと我々の異なる点:左右の目から1つのものに仕立て上げている(2個の目と左右の脳)
キュクロプスの眼、という語だが、これは眼が一つしかないキュクロプスと眼が二つある人間との物の見え方が違うという話だと思っていたのであるが、違っていた。
なんと、我々も結局のところ、1つの眼で外界を見ていると言ってよいと、人間の双眼一視の形として、ヘルムホルツが名付けたというのである。
(Hermann Ludwig Ferdinand von Helmholtz, 1821- 1894)独 生理学者
「生理学の分野では生理光学、音響生理学における貢献が大きい。トマス・ヤングが、かつて提示した光の三原色に関する理論を発展させ(ヤング=ヘルムホルツの三色説※)、残像の色彩や、色盲についての説明を可能にした。」(Wikipedia)
左右単眼視⇒立体視(p55)
※「色覚に赤、緑、青(あるいは紫)の3要素があり、これらが同じ割合で刺激されると白色を感じる。色別は3要素の刺激の比率に応じて生じる、というものである。その後、網膜の色覚受容器である錐状体に、赤、緑、青 (RGB) に最もよく反応する3種が区別された。これらの要素の1つないし2つを欠くと色盲となり、感度の鈍いものは色弱となる。大部分の色盲表やカラーフィルム、カラーテレビはこの説を応用している。』(Wikipedia (Young-Helmholtz theory))
目のある動物は、光センサとなるタンパク質(オプシン)とビタミンA(レチネン)の化合物を持ち、これを含む視細胞の作用によって外界を見る。
すなわち、光の受容器である網膜に生じる生化学反応を、外界像という知の情報に組み替えて、つまり、光のエネルギーを情景情報に読み替えて利用している。
(p2) 眼は脳の一部とみなすこともできる
入力⇒脳における2段階の資格情報形成過程(網膜、外側膝状体 、一次視覚野、二次形成過程)⇒出力
黄色と青色の特質
赤や緑に比べて、黄や青は明るさの知覚に関連する性質を持っている
「反射光が問題にされるようになったのは、絵画の場合で、立体表現の基本技術の一つになった。」(p41)
ゴッホの青色の影⇒http://flora.karakusamon.com/IMG2/vivre.html「絵画の場合は、色彩美は黒色を背景をする場合に最も印象的に感じられるようだ(有彩色間の相互作用が生じないため)」(p153)
以下→こちらにて。色の基本、色のしくみ、色の文化のページは別に作成しています
lastModified: 2015年 3月30日(日)